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学生さんや専門領域の病院で働いてる人必見!大学病院の臨床工学技士、透析室での一日

どうも、当サイト管理人のkenです。
本日は自分が働いている施設での、ある一日の業務の内容を書いていきたいと思います。
一般企業で働いている人たちや、筋トレ関係で読んでくれている方達が、臨床工学技士が具体的にどんなことをして働いているのか
少しでもイメージがつかめてもらえたら嬉しいです。
同業者で透析クリニックやメーカーなどで働いている人、臨床工学技士を目指す学生さんたちにとっても、役に立つよう内容でしたら幸いです。
私kenは某大学病院で働いており、
- 透析室
- 救命救急センター
- 医療機器管理部
- カテーテル検査室
の4箇所をシフトで決められ
当日の担当部署で働いています。
今回は透析室編です。
今回の記事を書くにあたり気をつけていることして、
どこまでの内容まで書くか
ということを気をつけています。
伝えたいがために、あまりにも詳しく書こうとすると、個人情報の漏洩になりかねないので、特定などされないよう、なるべくオブラートに包んだ書き方にしてます。
同じように医療従事者でブログを書く際、この記事がとても参考になります。
それでは本日もよろしくお願いします。
AM8:00 出勤 朝のミーティング
朝の8時にその日出勤の臨床工学技士全員が事務室に集まり、
- 夜勤からの申し送り
- 各自からの連絡事項
- 当日の業務配置の調整(部署によって忙しい時間などに合わせて、多部署の人を一時的に手伝ってもらうようにするなど)
などの確認をしてから各々担当の部署に向かいます。
ちなみに当院の透析室に配属される定数は3名です。
kenはこの日は透析室の担当なのでそのまま透析室にGO!
当院の透析室は外来患者さんが大体12〜13名ぐらい
入院患者さんも日によりますが7〜8名ほど
9時には外来透析患者さんの透析が始まるので、それまでの約1時間で準備を終わらせる必要があります。
透析液配管の残留塩素、残留消毒液のチェック(透析液を患者さんに送る配管系は、前日の業務終了後に消毒が入ります。配管内にその消毒液が残留していると副作用で患者さんに不利益を生じてしまうので、確実なチェックが必要です)
自動プライミング(実際に透析をする血液回路の準備)が始まっているので、回路の仕上げ
透析液の濃度の実測チェック(透析液の電解質濃度が狂っていると、患者さんの電解質も狂ってしまいますので、このチェックも大事です)
RO装置、透析液供給装置、透析液溶解装置、各ベッドの透析監視装置の始業前点検をチェックリストに乗っ取り行います。
AM9:00 外来患者さんの透析開始
9時から外来患者さんの透析が続々と始まります。
当院は穿刺そしてそのまま採血、機械操作、薬剤投与(抗凝固剤等)全て臨床工学技士が行っています。
穿刺(せんし)・・・いわゆる注射、透析は患者さんから血液をポンプで引っ張り、ダイアライザーと呼ばれる人工腎臓に流して血液中の老廃物や過剰な水分を除去して、患者さんの体に返します。このため。血液を引いてくるのに一本。血液を体に返すのに一本。合計二本患者さんに針を刺すことになります。
抗凝固剤・・・血液はそのままだと、透析の回路すなわち体から見た異物と接触することで、固まってしまいます。透析治療中は血液が固まらなくするよう、このような薬剤を投与する必要があります。
9時半頃になると今度は入院中の患者さんの透析も始まります。
ここから約1時間は外来、入院が同時にくるので、少しドタバタします。
入院患者さんの穿刺は医者がやるので、自分たちは機械操作、穿刺介助に入ります。
AM 10:30 病棟透析のため準備へ
入院中の患者さんの容体によっては、透析治療が必要であっても透析室に来室することが困難な場合があります。
例として
- 人工呼吸管理下である
- 脳、心臓などの大手術後でICUにいる方
- 感染症の懸念がある方(透析室来室による感染症の拡大防止のため)
このような方達の場合は、我々臨床工学技士が透析の準備を病室で行い、病室で透析をします。
個人用RO装置(透析液を作るのに使う水を作る装置、水道水から綺麗な水を作ります)、透析監視装置、透析液原液、その他物品を持っていくのはまぁ一苦労です笑
この日kenはICUにて透析を行う準備をしました。
透析室では、患者さんのバイタルサイン(血圧、呼吸数、脈拍、意識、血液中の酸素飽和度など)の記録、把握、急変時の対応など基本的には看護師さんがしてくれますが、病棟透析ではそれらの業務も自分たちが請け負います。
重症患者である場合が多いため、バイタルサインの変化に注意し、急変時やその予兆がある場合、医者と連携を取りながら対応するので、大変ですが、透析室での透析よりもやりがいはあるように思います。
そして患者さんの透析が終わるまで約4時間、付きっきりです。
なので病棟透析が入ると、透析室が手薄になってしまうのが難点です。
PM1:00 透析が続々と終了していく
透析の治療時間は基本的には4時間であることがほとんどですので、9時から始まった透析がこの時間からどんどん終了していきます。
治療のため体の外に出ていた血液を、体の中に戻してあげます。
この終了業務は臨床工学技士と看護師が行います。
患者さんが全員終了次第、透析液の配管の洗浄運転切替、翌日の準備等をします
(一方、この頃kenはICUで透析管理中)
PM3:00 病棟透析も終了
ICUでの透析も無事に終わり、片付けをし、透析室に戻ります。
持っていった機械の清拭、記録の処理、コストの処理などをこなし、翌日準備の手伝い等にまわります。
PM4:30 ミーティングを行い業務終了!
その日あった特筆すべきことなどをまとめ、明日以降に申し送りするべき内容等を記録して、無事に業務終了!
緊急透析などが入らない限り、大体残業なしで終わることが多いです。
以上です
まとめ
当院の透析室業務は大体こんな感じになっています。
透析クリニックなどと大きく変わるのは、やはり病棟での透析があるということではないしょうか?
透析クリニックは外来患者さんのみで、人数も比べ物にならないぐらい多いです。
たくさんの症例をこなせるので、穿刺スキルなどは上がりやすい傾向にあるようなメリットを感じます。
当院のような入院施設のある総合病院ですと、より重症な患者さんと関わることがあるので、重症患者の透析管理、集中治療としての透析などを学ぶには適した環境であると思います。
同じ透析でもこの二つは全然違う特徴なので、就活や転職の際は、透析に関してはこの辺りの違いを意識して職場を見てみるのがいいのかなと思います。
以上、本日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!
ken