業務関連

臨床工学技士関連の資格について 働きながらME1種を取得した経験を踏まえて

働きながらME1種に合格して、臨床ME専門認定士の資格を取得
その勉強のポイントと資格取得後の現状

どうも、筋トレ臨床工学技士ブロガーkenです。

 

本日は臨床工学技士が取得できる資格の一つ、
臨床ME専門認定士(通称ME1種)
を僕が働きながらを取得した経験、資格取得後のその後などについてもせきららに書きます!

 

それでは本日もよろしくお願いします。

 

kenの取得した、臨床工学技士関連の資格

・透析技術認定士

・3学会合同呼吸療法認定士

・臨床ME専門認定士

・第2種ME実力認定

・ICLSプロバイダー

以上です。
今後の資格取得は、今の所は特に考えていません。

本日は臨床ME専門認定士に絞って書いていきます。

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臨床ME専門認定士とは?

一般社団法人日本医療機器学会(以下学会)というところが作った認定士制度です。

 

現代の医療では、ME機器がいろんな場面で取り入られています。

ME機器(えむいーきき)とは、Medical Engineering(医用工学)の頭文字を取った略称で、工学技術を応用して開発された医療機器である。

特に患者の診断や治療、監視に使用する医療機器をいうことが多い。
近年では、日々進歩する医療技術にともない、医療機器安全管理責任者の設置、保守計画の策定と実施、保守点検記録の保存が義務化された。

そのため、多くの病院では院内にME機器管理室を設置し、医師の指示のもと臨床工学技士が高度な医療機器の操作や保守点検、管理業務などを行っている。

出典:看護用語辞典ナースpedia

 

そのため、このME機器の安全性、信頼性を保つことが、
医療そのものの安全、信頼に大きく関わります。

 

そしてこのME機器の安全性と信頼性を保つには、
ME機器、システム、関連設備を適切に管理、教育することが大事な要素の1つであると学会は提唱しています。

これについての技術と知識を要する人材が不足しているため、
日本のME機器、システム、関連設備の管理、教育は欧米諸国に遅れをとっているというのが、学会の見解です。

 

そのため、これらを管理できる専門知識と技術を要し、それを他の医療従事者に教育することのできる人を認定士として増やそうということで、臨床ME専門認定士発足がしました。

 

学会の上げている臨床ME専門認定士の業務内容

  1. ME機器の評価、選択、購入、廃棄の助言
  2. ME機器の点検
  3. 関連設備(電気設備、医療ガス等)の点検
  4. ME機器、関連設備のトラブル対応
  5. ME機器、関連設備の最新の基準、規格の把握
  6. ME機器、関連設備に関する他の医療従事者への教育、指導
  7. ME機器、関連設備に関する研究

をあげています。

要するに院内のME機器を管理する部門で働く人が主に行なっている業務全般ですね。

 

認定条件

  1. 日本生体医工学会が主催している、第1種ME技術実力検定試験に合格している
  2. 医療関係職種の資格を有している(准看護師も対象となる)
  3. 医療機関での2年以上の実務経験(准看護師の場合、3年以上)

以上の条件を満たしていると、申請してはれて臨床ME専門認定士となります。

1のME1種に合格するが、唯一にして最大の難関条件です。

 

ME1種の試験はどんなものか?

臨床工学技士国家試験と同じく、5択問題です。

試験当日の午前で90問、午後で90問に加えて小論文の記述があります。

 

そしてこの試験は誰でも受けれるものではなく、

・臨床工学技士免許を持っている
・第2種ME技術実力検定試験(受験資格無し、1種よりも簡単な試験)を合格している

のいずれかの条件を満たしていなければ受験できません。
条件さえ満たしていれば、臨床工学技士でない医療従事者、メーカー勤務の社員の方なども受けれるということになります。

合格率は20〜30%と言われています。

明確な合格基準は明かしていませんが、6割の点数で合格するとのことです。

 

ME1種合格のポイント

これについては国家試験の勉強法と同じで良いと思います。

過去問を一通り解く→理解できなかった問題の解説を熟読し、自分なりにまとめる→ひたすらそれを読み込む

みたいな感じでいいかと思います。
自分は国家試験もME1種もそのような勉強法でした。

 

問題の内容としては、化学、物理、電気・電子工学の問題
臨床医学系の問題と幅広く出題されます。

 

ここからはあくまで個人的なものとなります。

 

自分は働き出して3年目にこの試験を受験して合格しました。

6月に試験があり、その年の初めから少しずつ勉強をしてました。

 

働いてある程度の年数が経っている方はあるあるかもしれませんが、化学、物理、電気・電子工学の基礎問題はまぁ苦戦します笑

実際、病院で働いていて、その基礎知識を用いた計算問題を解く機会はなく、問題のレベルも国家試験よりやや高いので、早めにしっかり取り組んで、問題を解く感覚を呼び戻すのがポイントだと思います。

 

一部の優秀な学生は、前年にME2種を取得して、翌年ME1種を受験し、合格する人もいます。
(自分は学生時代にME2種を取得するので精一杯でしたので、学生でME1種取得する人は本当にすごいと思います)

 

逆に臨床医学系の問題は非常に簡単に感じました。
自分が関わっている透析、救急医療、呼吸器などはさほど勉強しなくてもどうにかなりました。

学生さんにとってはここがキツいポイントだと思うので、なるべく基礎問題でカバーできるようにした方が良いですね。

 

実際取得し、その後を赤裸々に語る

結論から言うと、

  • とにかく資格を取るための勉強であり、不十分な理解で済ませるところもあった
  • ME機器管理の業務をほぼしていない

この2点のため、試験で勉強した内容はあまりいかせていないのが現状です。

日常でいかせてないと、やはり時間とともに徐々に知識も抜けてしまいます。

 

また、当時はとにかく資格を取りたい一心でしたので気にしませんでしたが、

  • 勉強に自分の時間をそれなりに使った
  • 講習会の参加費、受験料は自費(これは今思えば申請できたかな?)
  • 講習会参加、受験は自分の休みで行った(出張扱いなどにならない)
  • そこまでして取得したが、給与が上がるなどの現実的なメリットは何も無し

でしたので、今となっては本当に必要だったのか、疑問の残る資格となっています笑

多分、今後この資格が役に立つのは、転職をするときぐらいかなと思います。

  • いずれは転職してみたい
  • ME機器管理をバリバリやっている、やってみたい
  • 取得することで待遇面など正当に評価してもらえる職場にいる
    という人は、臨床ME専門認定士の取得を考慮するべきだと思います。

認定臨床工学技士制度について

今年より新しく、認定臨床工学技士制度というものが始まりました。

領域としては

  • 認定医療機器検定
  • 認定血液浄化検定

の二つの分野でスタートしてます。

立ち位置的には現在ある、
透析技術認定士などの学会認定資格と血液浄化専門臨床工学技士のような専門臨床工学技士の間の資格というのが僕個人の見解です。

認定士試験の受験資格としては

  • 医療系資格を持っている
  • 指定の講習会(e-ラーニング)を受講済み

の2点を満たしていれば認定試験を受けることができます。

さらに認定臨床工学技士の認定を受けるには

  • 上記の試験に合格していること
  • 2年以上、日本臨床工学技士会の会員であること
  • 2年以上の実務経験があり、現在も従事していること
  • さらに申請した年から遡ること5年間の間に
    日本臨床工学技士会の学術大会もしくは地方会に参加、
    当該領域の学会などに参加し、単位を20以上取得している、
    キャリアアップ研修(初級)に参加している

これらの条件を満たすと晴れて、認定臨床工学技士となります。

ただし、認定臨床工学技士の上位にあたる専門臨床工学技士である人はこの認定に必要な要件にかかわらず、認定要件を満たすことになります。

日本臨床工学技士会 認定制度冊子

となると、例えばすでに血液浄化専門臨床工学技士の資格を保有している方は、認定士の要件を全て満たしているので、申請すれば認定士の資格も取れるということになります。

専門臨床工学技士の方が認定臨床工学技士の資格を取得することにどのような意義があるかは正直わかりません。

今年から始まった制度なので僕自身まだわからないことが多いですが、今後取得を狙うかもしれない資格の一つであります。

今後、診療報酬などに関わることを期待したいです。

 

まとめ

臨床ME専門認定士の取得については少し赤裸々に語りました。
取得が可能な状況とはいえ、現状の業務がその資格と関わりがないと、なかなか勉強して得た知識がいかせず、名前だけの資格となってしまいます。

 

その点を考えると、自分の場合は、ICLSプロバイダーの資格は取得して本当によかったと実感しております。

 

ICLSプロバイダーはME1種などの資格と比べると
取得方法、内容、受講場所などがかなり特殊なのでしたので、是非上記リンクから記事をご参照ください。

ER、ICUなどで働く臨床工学技士には必須だと個人的に思います。
(資格そのものというよりも、受講して得られる知識が超大事です!)

 

本日もここまで読んでいただき、ありがとうございました!

ken







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