透析

総合病院での透析の仕事 病室透析とは?

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どうも、筋トレ臨床工学技士ブロガーkenです

本日は透析室で行う透析とは一味違う、病室透析についてです。

入院している透析患者さんは、基本的には透析室に来室してもらって透析をしますが、

様々な理由で透析室に来ることができず、
(当院の場合は)CEが機械を病室に持ち込んで透析を行う、病室透析をすることがあります。

当院では透析治療中はCEが常に側で見ています。

 

病室で透析をしなければいけない理由から、実際に病室で透析をする際にCEや看護師さんが注意しておくべきポイントをまとめます。

それでは本日もよろしくお願いします。

入院している透析患者さんに対して、病室で透析を行う理由と気をつけるべきポイント

病室で透析を行う理由

理由は単純で、患者さんが透析室に来室できないからです。

来室できない理由について大きく分けて3つあります。

大手術後、急変後でICUにいる

  • 主に心臓や脳などの重要臓器の手術後の患者さん
  • 病棟での急変などでICUに入った患者さん

これらの患者さんの場合は基本的には透析室ではなく、
ICUに出向いて透析をします。

 

人工呼吸器を使用している

  • 呼吸状態の悪化が見られる患者さん
  • 慢性的な呼吸器疾患のある患者さん

これらの症状により人工呼吸器を使用している場合も病室透析の対象です。

感染症をもっている

これは仮に患者さんの症状が落ち着いていたり、呼吸器を使用していなくても、
透析室にいる他の患者さんへの感染拡大防止の観点から、病室透析の対象となります。

 

ICUでの透析の特徴と気をつけるべきポイント

透析をする上でのICUの特徴

ICUは基本的にはオープンなスペースで看護師さんもたくさんいます。

日頃から重症患者さんの看護業務をしているため、急変対応などにも慣れている看護師さんが多い印象です。

医者も頻繁に出入りしているため、マンパワーに関しては一番充実している環境です。

 

また、一般病棟ではほとんど使用することのない循環動態モニタリング機器なども使用することがあります
(心臓の手術後や敗血症の方で使うことが多いです)

 

マンパワーも充実、高度なモニタリング機器もあり、
急変対応に必要な機器(除細動器や人工呼吸器など)もすぐ近くにあるので、
設備面のみで考えると最も病室透析に適している環境です。

その代わりに、そこで透析を行う患者さんはかなりの重症例であることが多いです。

具体例としては、

  • 薬を用いての厳密な血圧管理が必要
  • 大手術後で出血しやすい
  • 心臓の機能が弱っている人

など油断できない状況です。

ICUで透析をする際のポイント

 

バイタルサインを常に気にする

前述の循環動態モニタリング機器や、
観血敵血圧モニタリング(いわゆるAライン)も使用していることが多いです。

それに伴って、ICUにいる患者さんはルーチンで血液ガス検査もしていることが多いので、透析始まる前、必要に応じては透析中の血液ガスデータも参考にしましょう。

 

使用薬剤の用途把握

ICUでは普段透析室ではあまり使わないような薬剤を使うことが多いです。

詳しい薬効動態などについて、
知っているに越したことはないですが最低でも

  • 血圧を上げるもしくは下げる薬
  • 脈拍数に影響する薬
  • 血糖コントロール目的の薬

などのようなざっくりとした感じでもいいと思うので、
どんな薬を使用しているかは知っているべきだと思います。

回路凝固には注意する

手術後でいつも違う抗凝固剤を使っていたり、炎症反応上昇により、
普段より回路凝固しやすいこともあります。

また、手術中の出血量などにもよりますが、貧血気味であることも多いので、回路凝固で血液が返せないという状況は
なるべく起こさないように気をつけたほうがいいです。

出来る範囲で急変に対応する

もしICUで急変が起こっても、看護師さんや医者は(病棟よりかは)すぐにきてくれます。

だから僕たちCEが何もせずに待っていればいいのかと言われたら決してそうではなく、

  • 状況に応じて即座に返血する
  • 除細動器などのME機器を準備する
  • 場合によっては心臓マッサージをする

など、何か出来ることはやるようにした方がいいと思います。




人工呼吸器を使用している患者さんへの透析の特徴と気をつけるべきポイント

溢水による肺水腫の患者さんが多いです。

水分を多く摂取しすぎて、肺にも水がたまり、呼吸が苦しいという状況です。

 

純粋にこれだけの理由で呼吸器を使っている場合、
透析で除水をしていくことで比較的早く呼吸苦がよくなることが多いです。

 

バイタルサイン(特に呼吸数と酸素飽和度)に注意しつつも、
担当医と相談しながら呼吸器の条件を落としていって、
なるべく早く呼吸器を離脱できるように心がけたほうがいいと思います。

 

水分増加量によっては体外式限外濾過法(ECUM)の追加を担当医と相談するのも一つの手です。

 

また、肺の水分は重力の影響を受ける関係から、起座呼吸(座った状態)の方が呼吸が楽と訴える人もいます。

ベッドを起こす際などはシャント肢も注意しましょう。

 

設備面でいうと、一般病棟で行うことを考えると、水道と個人用RO装置を接続して使用するので、
病棟スタッフやその部屋にいる他の患者さんに、
透析中はそこの水道が使えないことを周知させておく必要があります。

 

更に、電源コードや給液、排液配管がなるべく人の動線上にならないよう、気にしながら機械を準備することも大事ですよ。

感染症にかかっている患者さんに病室透析をする際の特徴とポイント

一番気をつけなければいけないポイントは、自分が感染を広めないことです。

  • 穿刺や抜針をする際はもちろん手袋、使い捨てガウンを身につける。
  • 病室を出入りする際は必ず手指消毒を忘れない。
  • 必ず病室を出る前に機械や配管、電源コードなどは消毒してから病室を出ましょう

 

また、感染管理のため、病室も建物の端の方に位置していたり、個室管理であることが多いです。

もちろん、バイタルサインモニターの情報は無線でナースステーションに飛ばしているので、ちゃんと把握はしていてくれますが、ICUやナースステーションに近い病室と比べると少し人手は薄いです。

感染症以外に特別な合併症が無ければ、急変などが起こる可能性は低いですが、万が一のことを考え、自分からも積極的に人を呼べる準備をしておきましょう。
(ナースコールを使う、担当医の電話番号を控えておくなど)

まとめ

以上、今回は病室透析についてのあれこれでした。

入院設備のある総合病院ならではの業務です。
透析クリニックの透析とはまた一味違うため、幅広い透析業務に関わりたい方にはおすすめです。

 

今回は病棟透析をメインとした記事ですが、総合病院での透析室の1日についてはこちら

本日もここまで読んでいただきありがとうございました。

ken