透析

CHDFとHDの違いについて、臨床工学技士がわかりやすく解説します

 

どうも、筋トレ臨床工学技士ブロガーkenです。

本日はICUやERで行われることの多い治療

CHDFとHDについてです。

 

ICUやERで働いている看護師さんをはじめとしたコメディカルの方は、この両者はぱっと見て

血液透析をやっているんだなぁ

ぐらいには分かると思いますが、実際その二つにどんな違いがあるのかはご存知でしょうか?

 

結論から言うと、この二つは血液浄化療法ではありますが、全く違う特徴を持ちます。

ER、ICUなどで施行される血液浄化法は

持続的腎機能代替療法(continuous renal replacement therapy;CRRT)

間欠的腎機能代替療法(intermittent renal replacement therapy;IRRT)

の2つに分類されます。

参考:参考文献1)

CRRTにはCHDFをはじめ、CHD、CHFなども含まれます。

IRRTにはHDをはじめ、HF、HDFなども含まれます。

今回は代表的な、CHDFとHDの違いに焦点を合わせて解説します。

 

両者の違いは、看護やリハビリにも多少なりと関わることもあります。

 

普段から臨床工学技士としてER、ICUでHDとCHDFを医師の指示の元、

準備、導入、治療中の管理などに携わっている私kenが、文献や自身の経験をもとにCHDFとHDの違いについてなるべくわかりやすく解説します。

 

  • ICU、ERで働いているけど血液浄化(CHDFもしくはHD)に苦手意識がある看護師さん
  • HDは分かるけど、CHDFはよくわからない(もしくはその逆)若手CEさん
  • これから急性期病院で働いてみたいと考えている学生さん

 

これらの人たちにとって役に立つと思います。

それでは本日もよろしくお願いします。

CHDFとHDの大きな違い3つ

CHDFとHDの治療時間

まずは治療時間が大きく違います。

HD・・・治療時間が4時間程度、週に2、3回

CHDF・・・治療時間は24時間、それを連日施行

 

そのため、患者さんの活動に影響が出ます。

具体的には

  • CTやMRIなど、ベットサイドでは出来ない検査をする際
  • 離床を進めるためのリハビリをする際

などです

HDは1回4時間なので、HDの前後でそれらの予定を組むことが出来ます

 

CHDFは治療中は常にカテーテルを介して血液を体外循環させているため、

ベッドサイドを離れることはもちろん、ベッドサイドでのリハビリ(特に鼠蹊部にカテーテルが挿入されている場合)は基本的には出来ません。

 

CHDF使用中の患者さんでそれらを行うには、回路交換のタイミングに合わせて行うことが多いです。

 

CHDFとHDの治療効率の違い

両者とも、ダイアライザーもしくはヘモフィルターを介して、血液と透析液の間で拡散の原理により血中の尿毒症物質を除去します。

(CHDFはろ過も働きますが、HDとの違いを考える際には気にしなくていいと思います)

違いは透析液の使用量です。

CHDF・・・1日あたり約16〜20L

HD・・・1分間あたり約500mL

透析液の量だけで比べると、HDはCHDFの約50倍の透析液を使います。

CHDFがいかに低効率であることがわかります。

 

CHDF・・・透析効率は低いが長時間

HD・・・透析効率は高いが短時間

 

また、尿毒症物質の除去だけでなく、余剰な水分の除去(いわゆる除水)

についても大きく異なります。

 

急性血液浄化療法を要するような症例では、高カロリー輸液に加え治療目的の薬剤投与などのため1000〜1500mL/day程度の水分負荷を要します。

引用:参考文献2).p36

 

そのため、

HDでは2000〜3000mLの除水を4〜5時間で行う

CHDFでは1000〜1500mL/dayの除水を24時間で行う

これらの特徴から

全身状態が良好で循環動態の安定している場合には間歇的血液浄化法、

systemic infiammatori responce syndrome(SIRS)や多臓器不全(MOF)を合併し循環動態が不安定な場合には持続血液浄化法が一般的に選択されます。

引用:参考文献2).p37

 

患者さんの全身状態を見てどちらが適しているかを考えることになります。

循環動態が不安定だけど、血液浄化を施行したい時、CHDFが選択されることが多い印象です。




 

CHDFとHDで使う監視装置の違い

CHDFとHDはそれぞれ異なった監視装置(コンソール)を使います。

一番大きな特徴は水道水を使うかどうかです。

CHDFは前述の通り、透析液の使用量が保険適応の関係で1日で使える量が16〜20Lと決まっているため、

ろ過型人工腎臓捕液と言われる一本1〜2Lの輸液バックを必要量コンソールにつけます。

 

HDは1分間に500mLの透析液を使います。

人工腎臓用透析液と言われる溶液(基本的にはA剤、B剤と言われる2つで1セット)

これを大量のRO水(水道水から作った不純物の取り除かれた水)

で希釈して透析液として使います。

 

まとめると

CHDF・・・電源さえあればどこでも治療ができる

HD・・・水道設備、RO水作製装置が必要

病室や部屋によっては、水道配管が無い、届かないなんてこともあると思うので、

入床する際にHDが必要そうかどうかある程度検討をつけてベッドを決めるのが、のちのち移動などしなくて済みます。

 

最後に

以上、本日はCHDFとHDの違いについて簡単にまとめました。

普段から急性血液浄化に関わっているCEというよりかは、

そこまで関わりはないけど、業務でよく見るコメディカルの方向けの内容です。

少しでもお役に立てたら幸いです。

本日もここまで読んでいただき、ありがとうございました。

ken

[参考文献]

1)川西 秀樹他 「急性血液浄化法に関する名称・用語」試案
特定非営利活動法人 日本急性血液浄化学会 最終閲覧日:2018年11月5日
http://jsbpcc.umin.jp/glossary/

2)篠崎正博 秋澤忠男 編集 『急性血液浄化法徹底ガイド第2版』,2010年,p36-37