臨床工学技士

血液ガスデータの各項目の文字の意味、読み方を解説します

どうも、筋トレ臨床工学エンジニアkenです。

僕は現在、医療関係のITエンジニアとして企業で働いております。

その業務の中で、社内であることを聞かれました。

臨床工学技士が関わることの多い検査の一つ

血液ガス分析(以下血ガス)についてです。

ken
ken
臨床を離れて久々に血ガスのことを考えました

というわけで今回、血ガスの文字の意味、読み方などについて自身の復習もかねてまとめていきます。

この記事の内容が向いている方
  • 現役の若手臨床工学技士の方
  • 臨床工学技士を目指す学生の方
  • 集中治療に関わる看護師などのコメディカルの方
この記事を読むことでわかること
  • 血ガス項目のアルファベットの意味
  • 大文字と小文字の違い
  • どんなデータを意味しているのか

この記事の内容は、あくまでひとつの参考にして頂けると幸いです。

この記事によって起きた事故等におきましては、一切の責任を負いかねますことをご了承ください。

それでは本日もよろしくお願いします。

血ガスデータの記号の意味について

基本は3つの記号の組み合わせ

例えばPaO2

これは動脈血酸素分圧を表してます。

 

臨床で働いている人はこれを見てパッと

「あ、酸素分圧のことだな」

となると思いますが、

改めて文字一つ一つの意味を考えることは、日常業務ではあまりないかと思います。

 

上記のPaO2の場合

  • P
  • a
  • O2

この三つの部分に分けて考えることができます。

それぞれの記号が意味することを理解する事で、
あまり普段見ることのない血ガスデータを見たときにも応用が効くかと思います。

以下はPaO2を例にそれぞれの記号の意味について解説していきます。

一つめの記号はどのようなデータなのかを表す

一つ目の記号はデータそのものがどのような状態のものなのかを示しています。

Pは圧力(pressure)を示しています。

他の記号について、代表的なものは以下のものになります。

F fraction(部分・割合)単位なし
S saturation(飽和度)%
C content(含量)mL(vol%)

ここの文字でそのデータの単位も決まることがポイントです。

二つ目の記号は場所を表す

二つ目の記号はそのデータがどこの場所のものなのかを示しています。

aは動脈(artery)ということになります。

ちなみにここの記号にはアルファベットの大文字が使われる場合と、小文字が使われる場合があります。

違いとしましては

  • 大文字:気体に関する場所
  • 小文字:液体に関する場所

となります。

 

どういうことかというと

例えば先ほどのaは動脈を表しますが

PAO2(肺胞気酸素分圧)

このAはalveolar(肺胞)となります。

肺胞は液体ではなく気体に関するので大文字

という感じです。

三つ目の記号は物質を表す

最後の三つ目の記号

PaO2でいうところのO2の部分

これは見ての通り、そのデータの物質名を表しています。

O2=酸素

これはそのままですね。

まとめ

以上、血ガス項目の記号の意味についての解説でした。

最後にここまでの内容を踏まえて簡単に例を交えて復習したいと思います。

 

FIO2の場合

これの記号の意味を考えてみると

第1記号のF:fraction(部分・割合)

割合、すなわちここでは濃度を意味します

 

第2記号のI:inspiratory(吸気)

ちなみにここは気体に関することなので大文字であることに注意

 

第3記号のO2:酸素

 

これらの組み合わせでできるFIO2は

吸気酸素濃度を表しているということがわかります。

 

血液ガスは奥が深いので難しいと感じるところも多いと思いますが、

ひとまず記号の意味が理解できるとデータの内容についての理解も深まるのかなと思います。

血ガスの勉強の足がかりとして今回の記事の内容が役に立っていただけたら幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

【参考文献】

1)尾崎孝平 おもしろいほどスラスラわかって臨床につかえる!血液ガス・酸塩基平衡教室

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